遺言書がない-リスク・デメリット・トラブル事例

遺言書

 

遺言書がない。

その場合、相続手続きでは「遺産分割協議」が必要になります。

しかし近年相続人間で遺産分割協議がまとまらず、トラブルになる例も少なくありません。

ここでは遺言書がないとどういったことが起こり得るのか見ていきましょう。

 

リスク・デメリット

悩む

1.相続人間で争いが起こる

遺言書がない場合、遺言者の死後、相続人全員遺産分割協議を行う必要があります。

この協議を行わないと、預貯金の解約、払い戻し手続きや不動産の名義変更などをすることができません。

 

遺産はそんなにたくさんないから私には遺言書必要ないよ」

 

そう考えている方もたくさんいると思います。

しかし、実際には遺産額が5,000万円以下の事案でもなんと77%が裁判による紛争へと発展しています。

 

遺産価額別 遺産分割事件の割合
※参照:裁判所『令和2年司法統計』より

 

遺産額が少ない方がその遺産を巡って「相続争い」が起こっています。

また審理期間も6ヵ月以上~2年以内のものがおよそ60%を占めています。

相続争いが起こると費用も時間もかかってしまいます。

 

実際に起こった自筆証書遺言の筆跡に関するトラブル→

 

2.相続人の中に未成年者がいる

家族

相続人の中に未成年者がいるいる場合、その未成年者は遺産分割協議に参加することはできません。

基本的には未成年者の法定代理人は親権者ですが、例えば父親が亡くなり、相続人は母と子どもだった場合、この母は自分も相続人であるための親権者(法定代理人)として協議に参加することができません。(利益相反行為といいます)

よってこのようなケースでは家庭裁判所で未成年者に対する特別代理人の申立をしなければなりません。

特別代理人の申立をするとき、候補者として利益相反のない親族などを指定することができます。

 

3.事故や病気、認知症

困った

 

事故や病気、認知症などで判断能力がないとされた者は遺産分割協議に参加することができません。

もし、そのことを知らず、遺産分割協議に参加させてしまった場合、その遺産分割協議は無効となります。

では認知症などで判断能力が低下している人がいる場合、どうしたらいいのでしょう。

家庭裁判所で「後見人」を選出してもらう必要があります。

しかし、後見人を一度つけると裁判所で認められない限りその後見人を解任することはできません。

解任できる条件として、

・後見人の不正行為

・著しい不行跡

・その他後見の任務に適しない事由

が求められます。

 

裁判所が解任を認めないと月数万円の費用を生涯払い続けることになります。

さらに遺産分割協議に伴い家庭裁判所に後見人の申立をする場合、遺産分割協議の文案財産目録の提出を求められることがあります。

そして原則としてこの「成年後見人制度」は本人の財産を守ることを趣旨としているので、遺産分割においても本人が法定相続分以上の財産を確保した内容でなければ遺産分割協議の合意を認めない傾向となっています。

 

 

4.相続人の中に行方不明者がいる

探しものをしている女性遺産分割協議を行う場合、法律で「相続人全員で」という決まりがあります。

相続人の中に長年家族と疎遠になっている人や、不仲で連絡を絶っている人がいる場合、それらの人を見つけ出し協議することは容易ではありません。

もし相続人を見つけることができないと、裁判所で不在者財産管理人選定の申立をし、遺産分割を進めなければなりません。

不在者財産管理人とは行方不明の相続人に代わり、家庭裁判所の許可を得て遺産分割協議に参加することができます。

もし行方不明の相続人について、失踪宣告が行われている場合、失踪者は死亡したものとみなされ、その者に代襲相続人がいれば協議に参加します。

 

トラブル事例

ここからは遺言書がないために起こった相続トラブルをいくつか見ていきます。

遺産の大半が不動産

家

不動産は現金と違い分割できないので協議がまとまらないと共有状態となってしまいます。

共有不動産は賃貸したり売却する時に共有者全員の合意が必要になり使い勝手の悪いものになってしまいます。

遺産分割がまとまらないので人に貸したり売ったりするのも話がまとまらない可能性があります。

不動産を誰か一人が相続して、その差額の金銭を他の相続人に支払うという遺産分割もできますが、不動産は資産価値が高く、現金で用意するのは容易でない場合もあります。

 

再婚である

夫婦

 

後妻の子は前妻の子の存在を知らず、自身が相続人となり相続財産を取得できると考えていましたが、被相続人が亡くなった後に前妻の子が現れ遺産の分割を請求されるといったケースです。

たとえ戸籍上別々になっていたとしても、前妻の子も、後妻の子も同じだけ法定相続分があります。

前妻には相続権はありません。

たとえば太朗さんは離婚歴があり、後妻の花子さんと息子の一男さんと暮らしていました。

預貯金は200万ほどで、残った遺産の大半を占めるのは住んでいる自宅でした。

太朗さんは亡くなってしまいましたが、花子さんと息子の一男さんはこれからもその家で住み続けたいと思っています。

しかし、実際相続手続きを進めていく中で、前妻の子が現れ遺産分割を求められました。

花子さんと息子の一男さんがその家に住み続けるためには前妻の子に金銭で支払わないといけなくなります。

預貯金が少ない場合、花子さんと一男さんの負担となってしまいます。

このようなケースでも生前遺言書を作成したり対策をとっておくことでトラブルを回避できます。

 

 遺産分割協議がまとまらない

困った

子どもがいないご夫婦の場合相続人が配偶者の両親や兄弟、甥姪になることがあります。

配偶者の親族と疎遠だったり遠方に住んでいたりで遺産分割協議が中々まとまらず相続できない。

 

他にも、

・被相続人の住んでいた家の築年数が古く売却できない

・処分するか所有するかで意見が分かれる

 

などでトラブルになる事例はあります。

 

まとめ

遺言書は「不要な相続争い」を避けるためにもとても有効です。

遺された人のために事前にきっちりと対策をしておきましょう。

 

家族

 

 

 

気持ちの伝わる遺言書を
遺言書に書いて効力があるものは法律で決められています。
しかし法的な効力はなくても遺された方へのメッセージとして遺言書に「想い」を記しておくことはとても大切です。
遺された人たちはどうしてあなたがそのような内容の遺言書を書いたのか理解することができ、あなたの気持ちに寄り添うことでその遺言の内容を受け入れやすくなります。
またあなたの「想い」を知ることで相続人同士の不要な争いを避けることができます。
「死」という悲しい出来事がおきた最中にある相続。少しでも遺された方があなたの思いに寄り添いあなたの想いを受け止め、前向きに生きていける遺言になればと思います。

 

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