【遺言書文例50パターン】 書き方 ・雛形・ サンプル

遺言書

ここでは基本的な遺言書の書き方50例をご紹介します。

適宜必要に合わせてご参考下さい。

自筆証書遺言で作成する場合、「日付・署名・捺印」は必須です。

書き間違えたりした場合も加除・訂正の方法も法律で決まっているのでご注意下さい。

※ここにある人物・名称は架空のものであり、実在のものとは関係ありません。

財産に関すること

妻に全財産を相続させる
(子供がいる場合)

遺言者山田太郎は次のとおり遺言する。

一、遺言者は妻花子に次の財産を含む全財産を相続させる。
1.土地
所  在 〇〇市
地  番 〇番〇
地  目 宅地
地  積 〇〇.〇〇㎡

2.建物
所  在 〇〇市〇〇町〇〇番地
家屋番号 〇番〇
種  類 居宅
構  造 〇〇造 階建
床 面  積 1階〇〇.〇〇㎡ 2階〇〇.〇〇㎡

3.〇〇銀行〇〇支店 口座番号〇〇〇〇〇〇
遺言者名義の預金全て

4.遺言者の所有する一切の動産

二、長男一郎、二男次郎には遺言者の意思を尊重し、遺留分を放棄してくれることを望みます。

 

 ポイント 

不動産は登記事項証明書通りに記載しましょう。
法的効力はありませんが、遺留分を放棄して欲しい旨を入れておきます。
「こういう理由で」というのを入れておくと子供たちも納得しやすく尚良いでしょう。
もし子供がおらず、相続人が配偶者と親になる場合はその人に変更します。

 

マンションの一室を相続させる

遺言者山田太郎は次のとおり遺言する。
一、遺言者が所有する財産のうち、次のものを妻花子に相続させる。

1.一棟の建物の表示
〇〇市〇〇町〇〇番地 〇〇マンション
専有部分の建物の表示
家屋番号 〇〇番〇〇の〇〇
建物の名称 〇〇〇
鉄筋コンクリート造三階建て 居宅
二階部分 〇〇.〇〇平方メートル
敷地権の表示
土地の符号1
所在および地番 〇〇市〇〇町〇〇番地
地目 宅地 地積 〇〇〇.〇〇㎡
敷地権の種類 所有権
敷地権の割合 〇〇〇分の一

 

ポイント
登記事項証明書通りに記載しましょう。
自筆証書遺言の場合、登記事項証明書のコピーの添付でも可能です。

 

預貯金を相続させる

遺言者山田太郎は次のとおり遺言する。
一、遺言者は妻花子に次の財産を相続させる

1.遺言者名義の〇〇銀行 〇〇支店
定期預金 口座番号〇〇〇〇〇〇 の預貯金全て

 

*ポイント*
口座が特定できるように記載しましょう。

 

株式を相続させる

一、遺言者山田太郎は次のように遺言する。
1.遺言者名義の株式会社〇〇の株式1万株(〇〇証券〇〇支店に預託)を長男一郎に相続させる。

 

*ポイント*
株数、預託先を明記しましょう。

 

有価証券を相続させる

遺言者大友裕也は次のとおり遺言する。

一、遺言者名義の次の財産を長男一郎に相続させる
1.投資信託 〇〇ファンド
(償還日2020年1月31日) 100万口
〇〇銀行 〇〇支店

2.10年利付国債(令和元年3月20日発行)
額面 500万円
〇〇証券〇〇支店

 

*ポイント*
取引内容に変動がある可能性があるようであれば〇〇証券 ○○支店 口座番号134679で保管中の預り金・有価証券・投資信託・その他一切の金融資産と明記するのもいいでしょう。

 

 

会社や店舗を継がせる

遺言者熊谷直樹は次のとおり遺言する。

一、長男一郎に次の財産を相続させる。
1.土 地 大阪府大阪市〇〇〇〇 宅地 659.00㎡
2.建 物 大阪府大阪市〇〇〇〇 家屋番号 〇番〇 鉄筋コンクリート造屋根5階建て
3.預貯金 遺言者名義の〇〇銀行〇〇支店の預金全額

二、遺言者が創設した〇〇株式会社の後継者として長男一郎を定め、代表取締役社長とする。

 

*ポイント*
不動産は登記事項証明書通りに記載する。二項に関しては法的効力はないが、希望として記載しておく。

 

 

農業を継がせる

遺言者田口健一は次のとおり遺言する。

一、遺言者の二男次郎に次の農業経営にかかわる全ての財産を相続させる。
1. 土地
所  在 〇〇市
地  番 〇番〇
地  目 宅地
地  積 〇〇.〇〇㎡

2. 建物
所  在 〇〇市〇〇町〇〇番地
家屋番号 〇番〇
種  類 居宅
構  造 〇〇造 〇〇階建
床 面  積 1階 〇〇.〇〇㎡
2階 〇〇.〇〇㎡

登記事項証明書通りに記載する!

3.農機具、備品の全て
4.〇〇農業協同組合の遺言者名義の預貯金全て

 

*ポイント*
農業経営に関するすべての財産を相続させると記載し、財産をそれぞれ種類別に具体的に記載しましょう。
借地があればそれも忘れずに記載します。

 

 

墓や仏壇を継がせる

遺言者米倉友三は次のとおり遺言する。
一、遺言者は山田家の祭祀承継者を長男の一郎に指定する。
〇〇霊園の墓地の永代使用権および墓石、仏壇、位牌ほか、祭祀に必要な一切の財産を長男一郎に相続させる。

 

*ポイント*
墓地の永代使用権の承継には制限がある場合もあるので、事前に墓地の管理者に確認しておきましょう。

 

 

愛用品やコレクションを贈る

遺言者三上昇は次のとおり遺言する。
一、遺言者は、長男一郎に次のものを相続させる。
1.遺言者は遺言者所有のエメラルドの指輪(〇〇社、2カラット、プラチナ台、鑑定書あり)
2.遺言者所有のコレクションの絵画(作品名、画家名)

 

*ポイント*
贈るものが特定できるように明記します。

 

相続分の割合を指定する

遺言者山田正二は次のとおり遺言する。
一、各相続人の相続分を次のように指定する。
妻  山田 花子 8分の6
長男 山田 一郎 8分の1
二男 山田 次郎 8分の1

 

*ポイント*
4分の3、70%、などとちらの書き方でも大丈夫です。

 

 

子の相続分に差をつける

遺言者髙橋洋一は次のとおり遺言する。

一、各相続人の相続分を次のように指定する。
長男 一郎  70%
二男 次郎  15%
三男 三郎  15%

長男一郎が法定相続より多いのは、家業を継いでくれること、私たち夫婦と同居し面倒を見てくれたからである。
遺留分を侵害しない範囲なのでどうか納得して欲しい。

 

*ポイント*
「どういう理由で」ということを明記しておくと相続人間で納得しやすいでしょう。

 

 

 内縁の相手に譲る

一、遺言者山田太郎は次のとおり遺言する。
1.遺言者の所有する財産中、次のものを、大阪府大阪市○○在住の内縁の妻鈴木明子(昭和53年6月2日生)に遺贈する。
1.〇〇銀行 〇〇支店 口座番号〇〇〇〇〇〇 遺言者名義の預金全て
2.本遺言の遺言執行者に次の者を指定する。
大阪府高槻市〇〇〇 弁護士 佐藤正男

 

*ポイント*
法定相続人がいる場合は遺留分に注意します。
また遺言執行者も指定しておきます。

 

娘婿に財産を譲る

遺言者山田太郎は次のとおり遺言する。
一、遺言者の所有する財産中、次のものを長女鈴木明子の夫である鈴木一郎(昭和53年6月2日生)に遺贈する。
1.〇〇株式会社の遺言者名義の株式〇〇株
2.〇〇銀行〇〇支店口座番号〇〇〇〇〇〇遺言者名義の預貯金全て

 

*ポイント*
養子縁組としていないと娘婿には相続権はありません。娘婿に財産を譲りたい場合遺言書が必要です。

 

 

孫に財産を譲る

遺言者角谷進は次のとおり遺言する。
一、遺言者の所有する財産のうち、次のものを孫の鈴木一郎(昭和53年6月2日生)に遺贈する。
1.〇〇銀行〇〇支店口座番号〇〇〇〇〇〇遺言者名義の預貯金全て
2.遺言者所有の一眼レフカメラ(〇〇社製、型番〇〇〇〇)

孫の一郎とはよく一緒に出掛け趣味のカメラを楽しんだ。思い出のカメラをどうぞ受け取って欲しい。
また少しばかりの預貯金だが、大学での写真の勉強の学費にでも充ててほしい。

 

*ポイント*
気持ちを明記しておくのもいいですね。

 

甥や姪に財産を譲る

遺言者吉岡太一は次のとおり遺言する。
一、遺言者の所有する財産のうち、次のものを甥の鈴木一郎(昭和53年6月2日生)に遺贈する。
1.〇〇銀行〇〇支店口座番号〇〇〇〇〇〇遺言者名義の預貯金全て
二、遺言者の所有する財産のうち、次のものを姪の鈴木花子(昭和59年10月20日生)に遺贈する。
1. 土地

   所  在 〇〇市
   地  番 〇番〇
   地  目 宅地
   地  積 〇〇.〇〇㎡

  2. 建物
   所  在 〇〇市〇〇町〇〇番地
   家屋番号 〇番〇
   種  類 居宅
   構  造 〇〇造 〇〇階建
   床 面  積 1階 〇〇.〇〇㎡
   2階 〇〇.〇〇㎡

姪の花子は私の子である正男が死亡した後もずっと私と同居し面倒を見てくれた。
この家を遺贈するので安心してこの家に住み続けてください。
一郎には少しばかりの預貯金を遺贈するので一郎とその父文男はどうか納得して欲しい。

 三.本遺言の遺言執行者に次の者を指定する。
大阪府富田林市〇〇〇 弁護士 佐藤正男

 

*ポイント*
孫以外の相続人がいるとトラブルになるかもしれないので理由を明記して備えます。

 

 

先妻の子に相続させる

遺言者鈴木俊夫は次のとおり遺言する。
一、遺言者の所有する財産のうち、次のものを長男鈴木一郎(昭和53年6月2日生)に相続させる。
1.〇〇銀行〇〇支店口座番号〇〇〇〇〇〇遺言者名義の預貯金全て

二、第一項の財産を除いた残りの財産については、次のとおり指定する。
妻  花子 1/2
二男 文男 12

長男一郎には幼い頃に離婚し、不憫な思いをさせ父親としての役目を十分に果たせなかった。
少しばかりの預貯金を相続させるのでどうか受け取って欲しい。

 

*ポイント*
先妻の子に相続させる場合、後妻と後妻との子に配慮して内容を検討します。
またその理由も明記しておくことで納得しやすくなります。

 

 

妻の連れ子に譲る

遺言者三上新也は次のとおり遺言する。
一、遺言者の所有する財産のうち、次のものを妻花子の長女奈々子(平成3年6月2日生)に遺贈する。
1.〇〇銀行 〇〇支店 口座番号〇〇〇〇〇〇 遺言者名義の預金全て

二、第一項の財産を除いた残りの財産については、妻花子にすべて相続させる。

 

 

*ポイント*

妻の連れ後は養子縁組をしていなければ相続人にはなりません。
よって財産を残したい場合、遺言書に記しておきます。
妻花子との間に子供がなく、他に子がいない場合は親や兄弟が相続人になるので妻やその連れ子に遺産を残したい場合、遺言しておきます。

 

 

世話になった人に贈る

遺言者山中文太は次のとおり遺言する。
一、遺言者の所有する財産のうち、次のものを京都府〇〇市〇〇在住の安藤やすえ(平成3年6月2日生)に遺贈する。
1.〇〇銀行 〇〇支店 口座番号〇〇〇〇〇〇 遺言者名義の預金全て

ご近所に住む安藤やすえさんはまるで家族のように親身になって私の老後の生活を支えてくれました。
子供たちは疎遠になり、何十年も会うことはなかったが、やすえさんは私の生活、心の支えとなってくれたので私の気持ちとして財産を譲りたいと思う。子供たち、どうか理解してください。

 

*ポイント*
相続人以外に財産を譲る場合、相手が特定できるよう住所や生年月日を記載します。できれば本籍地も記載しておくと尚良しです。
相続人がいる場合、遺留分に配慮し、理由を明記しておくことでトラブルにならないようにしましょう。

 

 

愛人に財産を譲る

遺言者水谷一成は次のとおり遺言する。

一、遺言者は妻洋子に次の財産を相続させる。
1. 土地
所  在 〇〇市
地  番 〇番〇
地  目 宅地
地  積 〇〇.〇〇㎡

2. 建物
所  在 〇〇市〇〇町〇〇番地
家屋番号 〇番〇
種  類 居宅
構  造 〇〇造 〇〇階建
床 面  積 1階 〇〇.〇〇㎡
2階 〇〇.〇〇㎡

3.〇〇銀行 〇〇支店 口座番号〇〇〇〇〇〇 遺言者名義の預金全て

二、兵庫県〇〇し〇〇在住の鈴木智子(昭和35年11月2日生)に次の財産を遺贈する。
一棟の建物の表示
〇〇市〇〇町〇〇番地 〇〇マンション
専有部分の建物の表示
家屋番号 〇〇番〇〇の〇〇
建物の名称 〇〇〇
鉄筋コンクリート造三階建て 居宅
二階部分 〇〇.〇〇平方メートル
敷地権の表示
土地の符号1
所在および地番 〇〇市〇〇町〇〇番地
地目 宅地 地積 〇〇〇.〇〇㎡
敷地権の種類 所有権
敷地権の割合 〇〇〇分の一

三.本遺言の遺言執行者に次の者を指定する。
大阪府大阪市〇〇〇 弁護士 佐藤正男

 

*ポイント*
相続人の遺留分を考慮し、理解を得られるように愛人に財産を譲る理由(付言)を残しておきましょう。

 

 

預貯金を寄付する遺言

遺言者飯田紗世は次のとおり遺言する。

一、遺言者は、遺言者の有する預貯金の中から金1000万円を、大阪府大阪市西区にある〇〇大学病院に遺贈する。

二、遺言者は、前条記載の預貯金を除く不動産その他一切の財産を妻山田花子(昭和57年2月9日生)に相続させる。

第3条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
大阪府大阪市〇〇〇 弁護士 佐藤正男

付言 私は入退院を繰り返し〇〇大学病院にはすごくお世話になりました。これからも病に苦しむ人々を助けるため1,000万円を寄付するので病院での研究費用に充てて下さい。

 

*ポイント*
理由、想いを明記しておくと寄付を受け取る側も受け入れやすいです。

 

 

不動産を寄付する遺言

遺言者本木哲也は次のとおり遺言する。

一、遺言者は次の不動産を大阪府大阪市〇〇特別養護老人ホームに遺贈する。

1. 土地
所  在 〇〇市
地  番 〇番〇
地  目 宅地
地  積 〇〇.〇〇㎡

2. 建物
所  在 〇〇市〇〇町〇〇番地
家屋番号 〇番〇
種  類 居宅
構  造 〇〇造 〇〇階建
床 面  積 1階 〇〇.〇〇㎡
2階 〇〇.〇〇㎡

二、遺言者は、この遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
大阪府大阪市〇〇〇 弁護士 加藤正美

〇〇特別養護老人ホームには本当にお世話になりました。
職員の皆さんもやさしく接してくれました。感謝の気持ちとして寄付いたします。

 

*ポイント*
寄付する遺言の場合、遺言執行者を指定しておきます。
不動産を遺贈する場合、受け取る側は換価処分をして現金で受け取る場合がほとんどです。
換価や名義変更など煩雑な手続きで施設の負担にならないようその手続きを行ってくれる人として遺言執行者を指定しておきます。
また遺言する場合、事前に施設等に寄付を受け付けているか確認するほうが望ましいです。

 

 

胎児に遺産を残す場合

遺言者三木総は次のとおり遺言する。
一、遺言者は、遺言者の有する預貯金の中から金1000万円を妻山田花子の胎児に相続させる。

 

*ポイント*
胎児にも相続権があります。
しかし、余命宣告などされて特定の財産を自分の死後生まれてくるであろう胎児に残したい場合、遺言しておきます。
また生まれてくる子のために遺言書内でメッセージを残しておくのもいいでしょう。

 

 

予備的遺言

遺言者楠雅史は次のとおり遺言する。

一、遺言者楠雅史は、遺言者の有する一切の財産を、妻楠良子(昭和42年2月3日生)に相続させる。
二、遺言者は、遺言者の死亡以前に妻楠良子が死亡したときは、遺言者の有する一切の財産を、弟楠健司(昭和45年11月21日生)に相続させる。

 

*ポイント*
将来のことなので何が起こるかわかりません。もしものケースに備えてできるだけ予備的遺言を入れておくことが望ましいです。

 

 

身分に関すること

未成年者の後見人を指定する

一、遺言者山本花子は次のとおり遺言する。
1.遺言者の長男一雄(平成2年4月5日生)および長女風花(平成4年6月11日生)に遺言者所有の全財産を等分に相続させる。
2.長男および長女の後見人として次の者を指定する。
大阪府大阪市〇〇〇 山田敏夫(昭和45年7月30日生)
3.長男および長女の後見監督人として次の者を指定する。
大阪府大阪市〇〇〇 鈴木洋子(昭和39年8月2日生)
4.本遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
 大阪府大阪市〇〇〇 弁護士 川崎愛子

 

*ポイント*
子が未成年の場合、その親権者となる後見人を指定しておくことができます。
また後見人の職務を監督する後見監督人も指定することができます。

 

 

相続人を廃除する

一、遺言者山田友三は次のとおり遺言する。

1.遺言者の長男山田一郎を相続人から廃除する。
一郎は私に対して日常的に暴言を浴びせ暴力を繰り返しました。
また私の財産を勝手に持ち出しました。
暴力により全治6か月の骨折をし精神的にも身体的にも苦しめられました。別途医師の診断書と添付します。
以上、相続人廃除に相当する理由です。

本遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
  大阪府大阪市〇〇〇 弁護士 三倉聡子

 

*ポイント*
廃除の理由を具体的に明記しましょう。また廃除の理由を証明する証拠書類等を遺言執行者に預けておいた方がいいでしょう。

 

 

相続人の廃除を取り消す

遺言者飯倉蒼は次のように遺言する。
一、遺言者が申し立てをし、家庭裁判所の審判を受けて平成3年2月10日に確定した、長男富雄の相続人廃除を取り消す。

二、本遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
  大阪府大阪市〇〇〇 弁護士 佐藤正男

 

*ポイント*

生前に相続人の廃除をした場合、遺言によってその廃除の取り消しを行うこともできます。

 

 

愛人とのこどもを認知する

一、遺言者 鈴木太郎は次のとおり遺言する。

遺言者鈴木太郎と川野しずえ(昭和50年4月24日生)との間に生まれた次の子を自分の子として認知する。
本籍 大阪府大阪市〇〇
住所 京都府京都市〇〇
氏名 川野順子
生年月日 平成24年1月15日
戸籍筆頭者 川野しずえ

二、遺言者は次の財産を遺言者が認知した川野順子に相続させる。
1.〇〇銀行〇〇支店 定期預金 口座番号 〇〇〇〇〇〇

三、本遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
  大阪府大阪市〇〇〇 弁護士 佐藤正男

 

*ポイント*
子の認知をする際は、必ず遺言執行者を指定しておきます。
婚姻関係にない男女の間に生まれた子を法律上の自分の子であるとすることを「認知」といいます。
これにより認知された子は他の子と同様相続人になります。
認知は遺言によってもすることができます。ただし認知は子が成年に達しているときは本人の承諾が必要です。

 

 

その他

成年後見人の遺言

遺言者鈴木園子は次のとおり遺言する。

1.遺言者の財産は全て、妹鈴木朋子に相続させる。

付記
上記の遺言作成時、遺言者鈴木京子は、精神上の障害により事理を弁識する能力が欠けることのなかったことを証明します。

 

*ポイント*

成年後見人であっても一時的に遺言能力が回復したときに医師2人の立会いのもと遺言を作成することができす。

 

 

母親の面倒をみることを条件に

遺言者山田太郎は次のとおり遺言する。

一、遺言者山田太郎は妻花子の老後の生活を考え次のとおり遺言する。
1.次の財産を長女正美に相続させる
1.土地
所  在 〇〇市
地  番 〇番〇
地  目 宅地
地  積 〇〇.〇〇㎡

2.建物
所  在 〇〇市〇〇町〇〇番地
家屋番号 〇番〇
種  類 居宅
構  造 〇〇造 〇〇階建
床 面  積 1階 〇〇.〇〇㎡ 2階 〇〇.〇〇㎡

3. 〇〇銀行 〇〇支店 口座番号〇〇〇〇〇〇 遺言者名義の預金全て

二、長女正美は母親花子と同居し、花子が生存中その生活費として月10万円を毎月末日までに母親花子に渡すものとする。

 

*ポイント*
負担させる条件を明確に記載します。

 

 

ペットの世話をお願いする

遺言者田中良子は次のとおり遺言します。
一、遺言者は遺言者の愛犬チョコ(チワワ・メス)を大阪府大阪市〇〇番地在住の中谷京子(昭和60年5月1日生)に遺贈する。
二、前記記載の犬が遺言者の生存中に死亡しないこと、受遺者中谷京子が前項の遺贈を放棄しないことを条件に、次の財産を同人に遺贈します。
〇〇銀行〇〇支店 普通口座 〇〇〇〇〇〇遺言者名義の定期預金のうち金300万円

 

*ポイント*
ペットを引き受けてくれる人の承諾を得て遺言書を作成するようにしましょう。

 

 

遺産分割方法の指定を委託する場合

遺言者田中正は次のとおり遺言する。

一、遺言者が所有する全財産について、各相続人の相続分を次のように指定する。
長男 和夫 五分の三
二男 義男 五分の一
長女 奈央 五分の一
二、前項で指定した相続分について、財産の分割方法の指定は第三項に指定する遺言執行者に委任する。
三、本遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
  大阪府大阪市〇〇〇 弁護士 金田慎也

 

*ポイント*
相続分の割合を記載しておき、どの財産を誰が受け取るか分割方法の指定を第三者に委任しておくことができます。
また分割方法の指定の委任だけでなくその割合も併せて委任することも可能です。

 

 

遺産の分割を禁止する

遺言者狩野康太は次のとおり遺言する。

一、遺言者の財産のうち、事業用資産の全てを家業継続のために、その分割を5年間禁止する。事業用の資産のすべては別紙に記載する。
二、分割禁止期限内に家業の存続について、長男文男、二男武、三男寛太の三人で十分に話し合って欲しい。遺言者としては誰かが家業を継いでくれることを希望する。

 

*ポイント*

遺言者の死後、財産をすぐに分割してしまうと会社や店の経営が困難になったり、同居している家族の住まいが心配な時、5年以内に限り遺産の分割を禁止することができます。

 

 

 生前贈与がある場合

遺言者山田太郎は次のとおり遺言する。
一、遺言者が長男和利の住宅資金として援助した1,200万円については、特別受益の持ち戻しを免除する。

 

*ポイント*
生前贈与分を相続財産に加えないようにすることを「特別受益の持ち戻し免除」といいます。
なお婚姻期間が20年以上の夫婦で、配偶者に居住用不動産の贈与があった場合は持ち戻し免除の意思表示があったものとみなされます。

 

 

行方不明者がいる

遺言者山田花子は次の通とおり遺言する。
一、長男武には次の財産を相続させる。
〇〇銀行〇〇支店 普通口座 〇〇〇〇〇〇遺言者名義の定期預金すべて
二、二男良平には次の財産を相続させる。
〇〇銀行〇〇支店 普通口座 〇〇〇〇〇〇遺言者名義の定期預金すべて
二男良平は現在生存も所在も不明だが、遺言者の死後も不明のままであれば次の者に同人の不在者財産管理人を依頼したい。
大阪府大阪市〇〇  加藤良子

 

*ポイント*

行方不明者に財産を相続させたい場合は、不在者財産管理人の候補者の名前を記しておきます。
事前にその指定する者の承諾を得ておくようにしましょう。

 

 

生命保険の受取人を変更する

遺言者鈴木聡子は次のとり遺言する。
一、遺言者が被保険者となり契約した〇〇生命保険相互会社との生命保険契約(証券番号〇〇〇〇〇〇)保険金額5,000万円の受取人を夫泰一から長女洋子に変更する。
二、本遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
大阪府大阪市〇〇〇 弁護士 米田哲平

 

*ポイント*
保険金の受取人は遺言によってもすることができます。ただし遺言者の死後、その通知をしないと保険会社は遺言の存在がわからず元のとおり保険金を支払う可能性があります。また保険会社の約款により遺言での保険金受取人変更について決まりがあるところもありますので遺言書に書く時は事前に保険会社に確認しておいた方が安心です。

 

 

妻が自宅に住み続けられる権利を確保

遺言者立花隼人は次のとおり遺言する。

一、妻洋子に、遺言者が所有する次の建物の配偶者居住権を遺贈する。
大阪府大阪市〇〇〇〇
家屋番号〇〇〇〇〇〇〇〇
木造瓦葺二階建居宅
1階545㎡ 2階 516㎡

二、長男啓二に次の建物の負担付き所有権を遺贈する。
大阪府大阪市〇〇〇〇
家屋番号〇〇〇〇〇〇〇〇
木造瓦葺二階建居宅
1階545㎡ 2階 516㎡

三、長男啓二に次の土地の所有権を相続させる
1.土地
所  在 〇〇市
地  番 〇番〇
地  目 宅地
地  積 〇〇.〇〇㎡

 

*ポイント*
登記事項証明書とおりに記載しましょう。
配偶者が自宅に住み続けられる権利のことを「配偶者居住権」といいます。
遺言で配偶者居住権を設定する場合、「居住権」と「所有権」を分けて明記します。
また配偶者居住権は相続人でも「相続させる」ではなく「遺贈する」と明記します。

 

 

遺言書を撤回する

遺言者佐久間華は次のとおり遺言する。

一、遺言者は本日以前に作成した遺言の全てを取り消す。

二、遺言者所有の財産のうち...。(新しく希望する内容)

 

*ポイント*
遺言書の撤回は新しい日付の遺言書を作成することによっても行えます。
自筆証書遺言であれば、すべて撤回する場合は破棄しても構いません。公正証書遺言の場合原本が公証役場に保管されているので新しい遺言書を作成するなど対策が必要です。

 

 

遺言書を訂正する

遺言者三宅淳は次のとおり遺言する。
一、遺言者は、平成15年6月1日作成の公正証書遺言の第四項を全て取り消す。
二、遺言者三宅淳は、平成15年6月1日作成の公正証書遺言の第五項を取り消し次のように変更します。
遺言者は長女の聡子に次の財産を相続させる。
〇〇銀行〇〇支店 遺言者名義の定期預金全額

 

*ポイント*
新しく遺言書を作成する場合の訂正方法です。今書いている遺言書内で訂正する場合は法律で訂正方法が決まっています。詳し遺言書くはこちら→

 

 

一般財団法人を設立する

遺言者田所賢治は次のとおり遺言する。
一、遺言者がお世話になった〇〇福祉法人の認知症予防介護の研究をさらに発展させるために、本遺言をもって次のとおり財産を拠出し、一般財団法人を設立する。

1.目的
〇〇福祉法人の認知症予防介護の研究発展
2.名称
一般財団法人〇〇〇〇
3.主たる事務所
大阪府大阪市〇〇〇〇
4.設立者の氏名又は名称及び住所
名称 田所賢治
住所 大阪府大阪市〇〇〇〇
5.設立に際して設立者が拠出する財産およびその価額
〇〇銀行〇〇支店の遺言者名義の定期預金 口座番号〇〇〇〇〇〇 〇〇〇〇万円
6.設立時評議員、設立時理事及び設立時漢字の選任に関する事項
遺言執行者に一任する
7.設立時会計監査人の選任に関する事項
遺言執行者に一任する
8.評議員の選任及び解任の方法
評議員会の決議をもって行う。
9.公告方法
主たる事務所の見やすい場所に掲示する方法とする。
10.事業年度
遺言執行者に一任する。
二、本遺言遺言執行者に次の者を指定する。
大阪府大阪市〇〇〇〇 弁護士佐々木博

 

*ポイント*
定款に定める事項を遺言しておきます。定款に定める事項は1.目的、2.名称、3.主たる事務所、4.設立者の氏名又は名称及び住所、5.設立に際して設立者が拠出する財産およびその価額、6.設立時評議員、設立時理事及び設立時漢字の選任に関する事項、7.設立時会計監査人の選任に関する事項、8.評議員の選任及び解任の方法、9.公告方法、10.事業年度 になります。

 

 

 葬儀について希望する

葬儀についての遺言

遺言者峰敏夫は自らの葬儀について次のとおり遺言する。
一、葬儀の形式は家族だけで行い告別式は行わないようにする。
二、近親者、親しい友人に死亡の連絡をして下さい。連絡して欲しい人は別紙にまとめておきます。

家族の負担にならないよう、簡素な葬儀にして下さい。それが私の最後の希望です。

 

*ポイント*

葬儀について遺言しても法的効力はありません。また葬儀についての遺言は遺言者の死後すぐに発見されなければならないので財産に関する遺言とは別にわかりやすいように準備しておきます。

 

 

 散骨の希望

遺言者佐藤太一は次のとおり遺言する、

一、散骨に関して
遺言者は、遺言者の遺骨を生まれ故郷の近くの〇〇沖に散骨されることを希望する。
散骨にかかる費用は〇〇から支払って下さい。

 

*ポイント*
散骨に関しても遺言書に記載しても法的効力はありませんが、希望として残しておきます。
こちらも遺言者の死後、すぐに発見されなければいけないのでできれば財産に関する遺言とは別に作成し、わかりやすいように保管しておきます。そこに財産に関する遺言が別にあることを記しておくのもいいでしょう。

 

 

臓器提供を希望する

臓器提供についての遺言

遺言者山下洋子は死後の臓器提供について次のとおり遺言する。
一、遺言者山下洋子は、脳死判定をもって自らの死と認め、自らの臓器提供をしたい。
できるだけ多くの人たちの役に立ちたいと思っているので家族にも私の気持ちを伝えてますが、
再度私の気持ちを尊重し受け入れてもらいたい。
二、遺言者が臓器提供を希望する臓器は次のとおりとする。
心臓、肝臓、肺、小腸、膵臓、角膜、その他組織も必要とする人があれば提供を希望する。

 

*ポイント*

遺言書は死後、すぐ家族の目に触れるよう財産に関する遺言とは別にし、封筒に「臓器提供についての遺言 心臓停止後(または脳死後)すぐに開封すること」と記しておきます。

 

 

 検体を希望する

遺言者山田聡子は次のとおり遺言する。

一、遺言者は、「医学及び歯学の教育のための献体に関する法律」に基づき、〇〇大学医学部に対し献体する。
〇〇大学医学部に生前検体の申し込みをしており家族の同意も得ています。
家族の皆さんどうが私の願いを尊重し受け入れて下さい。

 

*ポイント*

検体を希望する場合、事前に本人の申込が必要だったり、家族の同意が必要な場合もあるので検体を希望する機関に事前に確認しておくようにしましょう。
また検体は遺言書に書いて法的効力があるものではありませんが、事前に申し込みをしておく、家族の同意を得ておく、遺言書に記載し死後すぐに発見されるよう公正証書にして残すようにしましょう。

 

 

妻が自宅に住み続ける権利を確保する

遺言者大熊誠二は次のとおり遺言する。

一、妻芳江に、遺言者が所有する次の建物の配偶者居住権を遺贈する。
所  在 〇〇市〇〇町〇〇番地
家屋番号 〇番〇

 種  類 居宅
 構  造 〇〇造 〇〇階建
 床 面  積 1階 〇〇.〇〇㎡ 2階 〇〇.〇〇㎡

二、長男正孝に次の建物の負担付き所有権を遺贈する。
所  在 〇〇市〇〇町〇〇番地
家屋番号 〇番〇

 種  類 居宅
 構  造 〇〇造 〇〇階建
 床 面  積 1階 〇〇.〇〇㎡ 2階 〇〇.〇〇㎡

三、長男正孝に、次の土地の所有権を相続させる。
 所  在 〇〇市
 地  番 〇番〇
 地  目 宅地
 地  積 〇〇.〇〇㎡

 

*ポイント*

妻が自宅に住み続けることができる権利のことを「配偶者居住権」といいます。
配偶者居住権は遺言により設定することもできます。
配偶者居住権にはいくつかルールがあるので確認しておきましょう。

配偶者居住権について→

 

 

財産の分割方法の指定を委託する

遺言者加藤明子は次のとおり遺言する。

一、遺言者の所有する全財産について、相続分および分割方法の指定を弁護士の佐々木智也に委託する。
二、本遺言の遺言執行者として次の者を指定する。
大阪府大阪市〇〇〇〇 弁護士 佐々木智也

 

*ポイント*
相続分および分割方法の指定を第三者に委託します。

 

 

 祭祀承継者を指定する

遺言者大蔵信子は次のとおり遺言する。

一、遺言者は、祭祀を主宰する者として、長男である大熊信也(昭和〇〇年〇〇月〇〇日生)を指定する。

 

*ポイント*

祭祀財産とは墓地や墓石、仏壇や仏具、位牌、神棚、系図などをいいます。
これを受け継ぐ者を祭祀承継者として遺言で指定することができます。
祭祀承継者は相続人の誰でもなることができますが、墓地の永代使用権の承継には決まりがある場合もあるので事前に確認するようにしましょう。

 

 

 永代供養をお願いする

遺言者須藤元子は次のとおり遺言する。
一、遺言者は、遺言者の有する預金の中から金1,500万円を、○〇寺(主たる事務所、大阪府大阪市〇〇)住職〇〇〇〇昭和45年1月30日生)に遺贈する。
二、前条の遺贈は、永代供養のためのものです。○〇寺住職には、須藤家の永代供養をお願いします。
三、本遺言の遺言執行者として次の者を指定する。 大阪府大阪市〇〇〇〇 弁護士 佐々木智也

 

*ポイント*
遺言書に書いて法的に効力はありませんが、すぐに発見されるよう財産について書いた遺言書とは別に用意し、保管する方がいいでしょう。

 

 

 前に作成した遺言を取り消す

遺言者三國涼子は次のとおり遺言する。

一、遺言者は、平成2年10月16日付けで作成した遺言を取り消す。

 

*ポイント*

前に作成した遺言の取り消しはそれがどの方式によるものであっても公正証書遺言、自筆証書遺言、どの方式によってもすることができます。詳しくはこちら→

 

 

 遺言執行者を指定する

遺言者園田明人は次のとおり遺言する。

一、遺言者の所有する全財産について、妻の園田美里(昭和52年3月2日生)に相続させる。
二、本遺言の遺言執行者として次の者を指定する。
大阪府大阪市〇〇〇〇 弁護士 佐々木智也

 

*ポイント*

遺言執行者として住所、職業、名前を記載しておきます。できれば生年月日も記載しておくと尚良いです。

 

 遺言執行者の報酬を決める

遺言者一ノ瀬拓海は次のとおり遺言する。

一、本遺言の遺言執行者として次の者を指定する。 大阪府大阪市〇〇〇〇 弁護士 佐々木智也
二、遺言執行者に対する報酬は、相続開始時の遺言者の有する財産全部の評価額(不動産については固定資産評価額)合計の2%とし、最低報酬額を金50万とする。

 

*ポイント*
遺言執行者に対する報酬を定めていなかった場合は、遺言執行者と共同相続人の話し合い、もしくは家庭裁判所が報酬を定めることになります。

 

気持ちの伝わる遺言書を
遺言書に書いて効力があるものは法律で決められています。
しかし法的な効力はなくても遺された方へのメッセージとして遺言書に「想い」を記しておくことはとても大切です。
遺された人たちはどうしてあなたがそのような内容の遺言書を書いたのか理解することができ、あなたの気持ちに寄り添うことでその遺言の内容を受け入れやすくなります。
またあなたの「想い」を知ることで相続人同士の不要な争いを避けることができます。
「死」という悲しい出来事がおきた最中にある相続。少しでも遺された方があなたの思いに寄り添いあなたの想いを受け止め、前向きに生きていける遺言になればと思います。

 

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