おひとりさまの終の棲家~どうするのがベスト!?~私らしく生きる

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終活において住まいについて考えることはとても重要です。

それはやはり住宅は資産価値が高いことと、より良い環境で暮らすことは人生を豊かにするからです。

より良い環境とは決して高級志向の不動産や地域に住むことではありません。

自分自身に合った、自分らしくいられる環境にいることが大切です。

その為には自分自身を見つめなおし、どういった暮らしがしたいのか考えます。

交通の便が良く、利便性のいい都心部に暮らすのか、多少の不自由はあってものどかな田舎暮らしをするのか。

ここでは参考までに老後の住居選びにおいて考えること、状況における選択肢を解説していきます。

 

考えることーその①目的を明確にする

まず、もっとも重要なのが不動産の終活を行う目的を明確にすることです。

不動産の終活を行う目的を明確にすることにより、その後の取るべき行動、また選択肢がわかります。

目的が明確になったところで住まいの終活について考えていきます。

住まいの終活は一般的に大きくわけて次の2つに分けることができます。

1、ご自身の終の棲家について考える

2、亡くなった後の処分(相続)について考える

 

考えることーその②終の棲家として

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住み代える必要があるか、また住み代えたいのか

足腰や身体が不自由になってくると、2階建の家では階段が大変で暮らしにくい、今住んでいるマンションだと車いすでは生活しにくいなど状況に合わせて問題が出てくるケースがあります。

 

自宅に住み続ける場合に受けれる補助

もし、今住んでいる家に住み続けたいのであれば手摺をつけたり、バリアフリーにすることで快適に住み続けることができるのか検討します。

手摺やバリアフリー化には介護保険により補助金を受けることができます。(住宅改修費の助成制度)

支給される条件としては、

・支給を受ける人が要介護認定を受けていること

・自分の住居を改修する場合

などがあります。

また要介護認定のレベルや所得額により制限があります。

 

住み代えた方が良い、住み代えたいと思っている場合

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住み代えた方がより良い生活を送れる場合もあります。

たとえば経年劣化により今住んでいる家では自分が亡くなる時まで住み続けるのは難しい

立地があまりよくなく、買い物や病院、交通の便で不自由

こういった場合、住み替えを検討した方がいいかも知れません。

 

住まいの住み代えには多額の資金が必要になるので慎重に検討するようにしましょう。

総資産額を計算して、余命年数などを考慮し老後の住まいを考えます。

老後資金が不足することを見据えて自宅の売却を検討する人もいらっしゃるでしょう。

住宅を活用して老後資金を確保する方法として次のようなものがあります。

 

リースバック

自宅を不動産会社へ売却し、売上代金を受け取ります。

メリットは、買主にリース料(家賃)を支払うことにより自宅に住み続けることができます。

デメリットは月々の費用が発生し、なんらかの事情により家賃が支払えないとその自宅に住み続けることができなくなります。

また賃貸借契約により期間を定められている場合が多く、ずっとその家に住み続けられる保証はありません。

月々に支払う家賃は相場より高く設定される傾向にあり、契約更新時に値上げされる可能性もあります。

自宅の売却はクーリング・オフができない為、売上金額と自分の年齢、平均余命、契約内容など考慮し慎重に検討するようにしましょう。

 

リバースモーゲージ

自宅に住み続けながら、自宅を担保にお金を借りることができます。

金融機関によって不動産の種類や場所、最低評価額が決められていますので事前に確認するようにしましょう。

 

在宅介護

ほとんどの高齢者は住み慣れた自宅を出て施設等に入所されることを希望されません。

そのため在宅でも受けれる介護サービスを検討します。

在宅で受けることのできる介護サービスは大きく分けて次の2つに分けられます。

訪問型サービス

・訪問介護

・訪問看護

・訪問入浴

・訪問リハビリ

デイサービス

・日帰りデイサービス

・デイケア(リハビリ)

・ショートステイ(宿泊)

これらをうまく活用してご自宅で暮らすのもいいですね。

高齢者施設等への入所

施設

入居一時金として入居時に高額な費用が必要な施設もありますが、施設の経営状況が悪化し、退所をせまられる、入居一時金が返ってこないなどのトラブルも見受けられますので費用は自己の財産から余裕をもって入居できる施設を選ばれることが望ましいです。

また高齢者施設へ入居する際も身元保証人・身元引受人が求められます。

これは施設で亡くなった時の身元の引き受けや、遺品の引取、月々の施設利用の支払いの為の保証人です。

近年おひとり様の増加により、家族替わりにこういった保証人を引き受けてくれる団体やサービスも出てきています。

 

賃貸物件で暮らす

一般的な賃貸物件は高齢者の場合孤独死などのリスクがある為中々貸してもらえなかったり、年金暮らしの高齢者には家賃の支払いが滞るリスクから貸し渋りをする傾向があります。

また高齢者施設への入居同様、保証人が求められます。

近年高齢者が賃貸物件を借りることができないケースが増大しており、社会問題となっています。

 

それから「終の棲家」として考える場合、ご自宅に住み続ける場合と施設に入所する場合の、「メリット」「デメリット」「費用」について考えます。

自宅に住続ける場合
メリット:住み慣れた土地で安心して過ごせる
デメリット:車いすでは階段で2階へ上がったりできない。など
費用:バリアフリー化の費用がかかる。永年固定資産税がかかる。

 

 
 
施設に入所する場合
メリット:建物の修繕は施設側がしてくれる。施設によっては食事の補助などもある。
デメリット:施設によっては浴室やトイレが共同。施設スタッフとの相性や他の入居者との共同生活
費用:月々の家賃が必要、何歳まで生きるかわからないので預貯金に余裕がない場合、金銭的な不安がある。

 

 

 

施設に入居する場合の施設の選び方

高齢者のための施設(老人ホーム)の種類

老人ホームには大きく分けて

・公的施設

・民間施設

この2種類に分けることができます。

そしてそれぞれ介護度や認知症の有無などによって様々なタイプの施設に分けられます。

公的施設

特別養護老人ホーム

介護保険によって低価格でサービスを受けることができ終身利用可能。認知症患者も受け入れ可能です。入居希望の待機者が多くなかなか入居できません。要介護度4・5の方が優先されます。個室だと費用が2倍かかるところも。

養護老人ホーム

経済的な理由で在宅サービスを受けることができない方が入所できる。

介護老人保健施設

通称「老健」。退院後すぐに在宅生活に復帰できない人が、施設でリハビリなどを受け、在宅復帰を目指します。リハビリ目的の為入居期限が限られています。費用は安価なところが多いです。

介護医療院

要介護者の長期療養と生活支援を目的とした施設です。医師の配置が義務づけられているので医療ケアを必要とする要介護者の受入れも可能です。

ケアハウス

60歳以上で入居することができ、家事などの生活サポートを受けられる「一般型」と介護サービスも受けられる「介護型」に分けられます。認知症の人も場合によっては受け入れてくれるところも。

 

民間施設

介護付き有料老人ホーム

要介護の方のみ利用可能な「介護専門型」と自立して生活ができる方も要介護の方もどちらの方も利用できる「混合型」、自立した生活ができる方向けの「自立型」の3種類に分けられます。

各タイプごとに入居できる条件が費用が異なります。

認知症の方も受け入れ可能です。

住宅型有料老人ホーム

外部の介護サービスを受けながら食事や掃除、洗濯など生活支援を受けることができます。

介護の必要のない方から要介護度の人まで幅広く入居可能です。

健康型有料老人ホーム

自立の方のみ入居可能です。そのため入居中に介護が必要になった場合退去しなくてはなりません。スポーツジムやプール、カラオケなどアクティブに過ごす為の設備が充実している施設が多いのが特徴です。また認知症の方は入居することができません。

サービス付き高齢者向け住宅

高齢者の居住の安全確保に関する法律(2001年施行)によって創設された民間施設です。

待機者の多い特別養護老人ホームに入居できない方の受け皿として発展してきました。

自立した生活を希望の方にお勧めのマンション型住宅です。

「一般型」と「介護型」の2種類に分けられます。

介護型は「介護付き有料老人ホーム」と同様の介護サービスとなります。

認知症の方は要相談のところが多いです。

令和2年時点で全国におよそ7,700施設あります。賃料の平均値は10万円(月額)で、その他の費用と合わせて20万円前後となります。

グループホーム

認知症の方が入居可能な施設です。認知症ケアの知識や経験のある介護スタッフが常駐しています。

シニア向け分譲マンション

バリアフリーなど高齢者が住みやすいように設計されたマンションです。物件を購入することになるのでその後不要になれば売却や賃貸なども行えます。しかし売却時にはその価格はかなり値下がりする傾向にあります。

 

考えることその③ー亡くなった後の不動産

所有している不動産がある場合、自分が亡くなった後のことについても考えておきましょう。

なぜなら不動産は分割しにくい財産のため相続争いへと発展してしまうことが多いです。

また相続の手続きは非常に煩雑で専門的な知識を要することも多く、手間と時間がかかります。

遺された人のために遺言書を作成するなど、事前にしっかりと対策しておきましょう。